自殺サイトで知り合った3人を殺害した前上博に死刑判決が下ったことを受け、今日の産経新聞夕刊に、東海学院大学の長谷川博一教授による解説が掲載された。
長谷川教授は、前上があのようになったのは「父親の虐待が影響しているのでは」と指摘した。
さらに、前上が幼い頃から郵便局員の白いヘルメットや白色の足袋、靴下に異常な興奮を示していたこと、父親に腹の上に乗られて首を絞められ、息ができずに苦しんだ経験(どのような状況か意味不明なのだが)から人が窒息することに興奮を覚えたと解説していた。
果たしてそうなのだろうか。事件が明るみに出た直後、前上の変態性癖は小学校高学年から中学生の間に形成されたと報道されていた。
本棚の蔵書にある「新潮45」2006年2月号を引っ張り出してきた。そこには、新井省吾氏による前上が犯した殺人事件のルポが掲載されている。
それによると、前上自身、小学校5年生のときに読みふけった江戸川乱歩の小説の中に出てくる首を絞めて人を窒息死させるシーンに異常な性的興奮を覚えるようになったとしている。
また、中学1年のとき、教育実習で来ていた女子大生を窒息させて苦しませる場面を思い浮かべながら度々マスターベーションをするようになり、その女子大生がはいていた白いソックスにも強い性的興奮を覚えるようになったと裁判で陳述している。
窒息と白ソックス。そのふたつが前上博の変態性癖を満たす要素である。
その証拠に、前上は金沢工業大学時代、部屋に遊びに来ていた友人男性が白いソックスをはいているのを見て興奮し、その友人の首を絞めて窒息死させようとする事件を起こしている。前上はそれが原因で1998年に大学を退学になった。
また、堺市の実家に戻った後、郵便局員として採用されるが、1995年にまたもや白いソックスをはいていた同僚職員をスタンガンで襲って逮捕されている。父親はそのとき、被害男性に1000万円もの示談金を支払っている。
さらに、2001年には堺市の路上でふたりの女性に対してベンジンを染み込ませたタオルで鼻と口を塞ぎ、暴行のかどで逮捕されている。
そしてこの後、前上は2005年に殺人事件を立て続けに起こすようになる。
自殺サイトで人をおびき寄せることを思いついた前上は、まず25歳の豊中の女性をメールで言葉巧みに呼び出す。そのとき、前上は待ち合わせの目印と称し、白のソックスをはいてくるようにと指示をしたが、女性は白のソックスをはいて来なかった。そこで、前上は女性の首を絞める際に持ってきた白のソックスをはかせている。
その2か月後、中学3年生の男子生徒を呼び寄せ、これも絞殺するときに白のソックスをはかせている。
さらにその3日後、今度は東大阪の男子大学生を誘引し、またまた白のソックスをはかせている。
いずれの殺人事件でも、前上は被害者を拘束した上で、口と鼻をガーゼなどで押さえるようにし、窒息して失神するさまを楽しんでいる。さらに前上は、被害者らが助けてくれと懇願したり、悶絶する声にもならないうめき声を出したり、失禁する様子を犯行後にもう一度楽しもうとICレコーダに録音しているのだ。
被害者は30分以上にわたって失神と覚醒を繰り返し、最後には息を吹き返せずに亡くなった。3人目の被害者に至っては、前上は長く楽しむためのコツを覚え、1時間以上も苦しめて殺害した。
これらが果たして「父親の虐待」なるものが影響しているのであろうか。
父親は「新潮45」のインタビューに答えていて、小学生の時に苛められて弱々しかった前上を家から叩き出したり、折檻するなどしたと告白していたが、それが大学教授の言う"虐待"なのであろうか。父親は前上に離れのプレハブ小屋を与え、殺害事件の前に息子が犯した暴行事件では被害者に頭を下げ、前上を精神病院にかからせたりしている。これは何なのであろう。
産経新聞に掲載された大学教授の意見は、どうもひとりよがりな意見のような気がしてならない。異常性癖と虐待を無理に結びつけようとしているように思える。
それはさておき、異常すぎる性癖を持つ前上博は3人もの人間を殺害した殺人鬼であり、死刑は至極当然である。弁護人はいつものように心神喪失、心神耗弱を狙っていたが、犯行からその後処理まで、しっかりとした意識の中で行われており、本人も罪を理解している。どこから見ても完全責任能力がある。ならば、死刑しかない。
異常すぎる性癖だろうが何だろうが、それが人を殺すことの免罪符になるとは思えない。弁護人は何を考えているのか知らないが、本人が罪を認め、死刑を望んでいることに対し、どうして無罪や刑の軽減を狙おうと必死になるのか。
加害者を無罪にすることだけが弁護士の仕事か。加害者に罪を認めさせ、反省を促し、遺族に謝罪させるのも弁護士の仕事ではないのか。


by 先っちょマン
日本国民のオツムは大丈夫か